【体験談】土砂災害ボランティア初日の記録と「これだけは知っておきたい」準備リスト

災害現場では「何かしたい」と思う人が多いはず。でも実際に動くには知識と準備が必要です。この体験談が、誰かの一歩の助けになりますように。


災害発生から1週間後、現地入り

土砂災害が起きてから1週間後、テレビの災害速報で「社会福祉協議会がボランティアセンターを開設する」と流れました。すぐに現場に向かうと、すでにイエローのゼッケンをつけた市の職員たちが設営を始めていて、私も自然にその輪に加わりました。

当初案内されていた080の番号には問い合わせが殺到し、電話がつながらない状態が続いていたそうです。現場では、人の手が足りず、すぐにボランティア保険の加入手続きのサポートなども任せてもらいました。


初日の現場は「家の中を土砂が突き抜けていた」

最初に向かった一軒家では、玄関から裏口まで、家の中を一直線に土砂が突き抜けた形跡がありました。扉は押し破られ、家具は土砂に埋もれ、住人の方は放心状態で家の中で静かに休まれていました。

土のう袋が足りなくなるほど大量の土砂を、何十袋も詰めて外に運び出しました。


現場で学んだ「災害ボランティアの現実と備え」

✅ 1. 土砂は想像以上に重い!腰を壊さないよう注意

無理をすると簡単にぎっくり腰になります。ペース配分が命です。

✅ 2. 夏場は砂埃・熱中症に注意

乾いた土砂が舞い、顔に砂がつき、吸い込んでしまいます。マスク・タオル必須。

✅ 3. 水分・食料は持参が基本

現地のスーパーは被災者の生活優先。品薄になるため、外部ボランティアは持参がマナーです。

✅ 4. トイレ問題:コンビニの善意に頼る場面も

近隣のコンビニのオーナーさんが快く使用を許可してくれました。警察官と同じ列に並んだのが印象的でした。

✅ 5. 道具は不足しがち

スコップ、手袋、土のう袋は足りません。できる限り持参を。特に大きなスコップは重宝されます。

✅ 6. ボランティア保険には必ず加入

熱中症やケガに備えて、「災害ボランティア保険」への加入は必須です。私が参加した当時は、現地で無料加入できましたが、最近では「事前に各自で社会福祉協議会にて加入してください」と案内されるケースも増えています
保険料は数百円程度ですが、補償内容もしっかりしており、安心して活動するために欠かせません。


終わりに:自分にできることを、確かな準備で

ボランティアは善意だけでは続けられません。実際に現場に足を運ぶからこそ見える課題があり、体力・知識・装備のすべてが必要です。
それでも、誰かの力になれるなら、やる意味はある。そう思わせてくれた一日でした。


【前回の記事】→ [現場で見た救助の難しさと、立ち尽くす消防隊員の姿]