【体験談】土砂災害の現場で出会ったご夫婦の姿に思うこと

前回の記事では、土砂災害現場の救助の困難さをお伝えしました。今回は、現場で私が出会ったご夫婦の様子から、災害がもたらす心の負担について考えたことを綴ります。


現場で出会ったご夫婦

土砂災害の現場を訪れたとき、一組のご夫婦に出会いました。奥様はとても殺気立っており、命に別状はなかったものの、家の中に土砂が入り込んでいる様子でした。
私は「何かお手伝いできることはありませんか?」と声をかけましたが、奥様は「人のことかまってられないのよ!」と冷たく答え、そのままどこかへ行ってしまいました。ご主人は申し訳なさそうにして奥様についていきました。


災害がもたらす心の重さ

現場では物理的な被害だけでなく、心の負担も非常に大きいことを痛感しました。奥様の言葉や態度には、緊張や不安、焦りがにじみ出ていました。災害に遭った方々は、助けを求めたい気持ちと、目の前の状況に追われてそれどころではない感情の狭間で揺れているのだと思います。


支援者として心に留めたいこと

災害支援やボランティアの現場では、被災者の気持ちに寄り添いながらも、時には距離感を保つことも必要だと感じました。焦りや不安の中で感情が高ぶることは当然であり、無理に関わろうとせず、見守る姿勢も大切です。


まとめ:災害時の心のケアと支援の難しさ

災害は目に見える被害だけでなく、心にも大きな傷を残します。支援者は物理的な助けだけでなく、被災者の心理状況を理解し、適切な距離感を保ちながら支援を続けることが求められます。
もしよければ、これまでの土砂災害体験談と現場の救助の様子の記事もご覧ください。→【土砂災害の恐怖〜突然の雷雨と50人以上の生き埋め現場を見た日】→【土砂災害現場へ急行!救助のリアルと困難さ