この記事でわかること
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災害ボランティアセンターが開設される条件とは
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自衛隊の役割と「文句を言う人たち」の存在
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被災地で目にした“助け合い”と“無関心”のギャップ
災害ボランティアセンターがすぐ開かれる地域は「比較的まし」な場所
あまり知られていませんが、災害ボランティアセンターがすぐ開設される地域というのは、「ボランティアが比較的安全に入れる」程度の被災地であることが多いのです。
本当にひどい状況の地域では、センターどころか道路すら寸断され、手の施しようがありません。そうした場所にはまず、自衛隊が重機を使って道路を切り開くことから第一に始まります。民間の支援が届くまでの間、自衛隊が命をかけてインフラを確保しているのです。
我々ではどうしようもできなかったんだけど、自衛隊が入ってからは道ができるのが早かったよ
とそこの町内会の会長さんが教えてくれました。
現場で起きていた“想定外のトラブル”
私がボランティアで訪れた地区でも、駐車場が確保できなかったり、アクセスが悪くて支援しにくい状況がありました。さらに驚いたのは、重機での作業に対して「音がうるさいから動かすな」と抗議する住民がいたことです。
もしかしたらその方は精神的に不安定な状況だったのかもしれません。しかし、重機を動かしている側からすれば、寝泊まりしながらの無償作業中にいちゃもんをつけられるのは、非常に堪えるものがあります。
「誰かのために」と動いている人が、心を折られてしまう。そんな現場を私はいくつも見てきました。
助け合う人もいれば、“関わらない”人もいる
さらに印象的だったのは、同じ地域内でも人々の温度差が激しいことです。
例えば、被災した家の近所に住む高校生がスコップ片手に手伝いに来る一方で、窓を閉めて完全に無関心を貫く住民もいる。被災を免れた人が「自分の家は無事だったから」と言って、隣の家が土砂まみれになっていても放置しているケースも珍しくありませんでした。
「災害時はみんなで助け合う」という理想と、現実のギャップ。そこには、想像以上の孤立と“人間の本音”がありました。
災害は人間関係もむき出しにする
災害が起きたとき、助け合いだけでなく、疲弊・ストレス・価値観の違いからくるトラブルも発生します。
それは決して誰かが悪いわけではなく、**「極限状態だからこそ現れる人間の本音」**なのかもしれません。
だからこそ、災害時には支援だけでなく、心のケアや関係調整の視点が求められるのだと、私は強く感じました。
まとめ:被災地のリアルを知ることが、備えの第一歩
私たちが普段思い描いている「災害時の助け合い」は、美しい理想です。
でも実際の現場では、自衛隊やボランティアが懸命に働く一方で、感情的な軋轢や無関心も存在します。
そうした現実を直視することは怖いかもしれませんが、災害に備えるということは、現実を知り、覚悟をすることでもあるのです。